エッセイ本紹介『心はどこへ消えた?』東畑開人著

BOOK

今注目の臨床心理士さんと聞き、図書館の著者検索をかけて、数冊まとめて予約を入れました。

1冊目に到着したのは、『美と深層心理学』。

こちらは、なかなか興味深いタイトルでしたが、難解すぎて挫折。(返却)

2冊目にやってきたのが、エッセイ!

2020年5月から1年間、週刊文春で連載されたもので、ちょうどコロナ禍時代!

面白かったのは、’ちょっと長めの序文’です。

1999年以前は、は大人気で、心理テストとか、事件が起これば「心の闇」に注目が集まった時代。

(確かに!)

ところが、その後の20年は、(内面)より、ケアすべきは労働環境だったり、生活費の支給だったりという”環境“時代へと移行。

(失われた20年か?!)

メンタルヘルスの最前線は、経済的・社会的な問題へと移っていったわけです。

(確かに!)

「物は豊かになったが、心はどうか?」(臨床心理学者・河合隼雄氏の言葉)の時代を経て、現在は、

「リスクは豊かになったが、心はどうか?」(著者の言葉)

という、物自体は溢れているけれど、社会は貧しくなり、内面のことなど考えていられない、心消滅の時代になっていた⁈

心は物の反対ですが、物が「確か」でなければ、心にも脚光が当たらないというわけです。

しかし、心が消えたわけではなく、確かにあるわけで、どこにあるかというと、個々の具体的な、個別的な小さなエピソードに宿っている。

「クライエントの語る小さすぎる物語の中の、これまた小さすぎるエピソードに、彼や彼女の心が立ち現れる。ときにほのかに、ときにあざやかに。」

心理は、面白い ^ – ^

elly

投稿者プロフィール

F姉妹
F姉妹
広島市在住の姉妹(あね(姉)とelly(妹))のブログです。身の回りのお気に入り、日々のくらしを紹介します。よろしくお願いします。
詳しいプロフィールはこちら
タイトルとURLをコピーしました