本紹介『空中ブランコ』奥田英朗著

BOOK

小説に夢中で電車を乗り過ごしてしまいました。

トンデモ精神科医 伊良部シリーズの第二弾!

第一弾『イン・ザ・プール』を長女も読み始め、我が家では伊良部先生の話題でもちきりです。

今回も心の病を抱えて伊良部先生のもとへ様々な人が集まります。

空中ブランコが飛べなくなったサーカスの団員、尖端恐怖症のヤクザ、破壊衝動の大学講師、1塁への送球が暴投してしまう野球選手に、過去設定の確認を何度もしてしまう女流作家。

常識外れの中に、たまにマトモなことを言うので、おっ!!すごいな!となります。

すごみを見せるヤクザに対しても、「だめだめ。病院では総理大臣もホームレスも、患者で統一されているんだから」と、いつもの注射に持ち込みます。

同級生の破壊衝動に対しては、「要するに自分を壊したいってことだから、代償行為を見つければ、案外収まるんじゃないの?」と、同業者をも納得させます。

なぜか先生の前ではみんな格好を付ける必要がなくなり、素直になっていきます。

次第に患者の気持ちは好転して話は終わります。

伊良部先生が可笑しすぎて、それだけで面白いのですが、心の病に陥る人の精神状態も勉強になり、興味深く読んでいます。

短編5編。2004年直木賞受賞作品。

elly

投稿者プロフィール

F姉妹
F姉妹
広島市在住の姉妹(あね(姉)とelly(妹))のブログです。身の回りのお気に入り、日々のくらしを紹介します。よろしくお願いします。
詳しいプロフィールはこちら
タイトルとURLをコピーしました